無料サービスとモンスターについて考える1週間

いろいろと考えてしまって、脳みそが疲労してしまった感じ。ブログを書けなくなってしまいました。

radikoのことや、日経のweb刊のこと、iPadなどによる電子書籍のこと、それらが、自分の仕事「Webサイト」の制作という仕事にいろいろ関係してくるなぁと。

radikoは東京大阪のラジオ局が試験的に始めたインターネットラジオサービス。地上波と同じ内容をサイマル放送する関係上、各放送局のエリアのみで利用できるサービスです。地域外からは聞けるようにすべきだ、という声が多くその要望すること自体は間違いではないのですが、「インターネットはボーダーレスなのにおかしい」とか「時代遅れ or 逆行している」という意見がくっついていることに、うんざりしてきました。

無料でラジオを聴けるのは、スポンサーあってこそ。その「広告メディアたる部分」を破壊してでも地域外に配信しなくてはならない理由なんかないのですが、リスナー側に「ラジオ広告なんか聞きたくないんだけど、好きな番組を聴きたいから広告も聞いてやってる」という奢りがあるんじゃないかと思うぐらい・・・。いや、それどころかラジオ番組が広告で成り立っているとは思ってないのかも。「水道水は無料」みたいな感覚。

これが1つめ。

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日経のweb刊。やりようによっては成功するはずなんですが、結局、紙媒体の新聞に配慮した形で料金設定をしてしまったので、なんとなく成功は難しいと思います。すでに新聞を利用している人にとっては、便利だな〜という面はありますが、この料金では新たな読者は増やせないし、webならではのメリットが料金ほどには感じられないと思いました。

とはいえ、新聞社はインターネットを通じてすべての記事を無料で提供すべきか?というと、そうではないと思うんです・・・。

これが2つめ。

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iPadの発売が近づいてきました(日本ではちょっと後ですが)。電子書籍アプリはどうなるかはまだわかりませんが、出版としては不安もありつつ、希望が持てる話です。

雑誌社がウェブサイトで記事を掲載していることがありますが、これ自体は雑誌の販売に繋げるべく無料配信しているだけで、雑誌の代わりにしたいわけではない。でも、サイトをやめるわけにもいかないし、かといって雑誌は思うように売れないし・・・。困った状況です。

その中で電子出版は、いろんな中間コストを省けて、収益を上げられる可能性を秘めてます。が、ここにも「無料配信していないとは・・・(略)」というユーザーによる無言の圧力がかかるんじゃないかと不安です。

事実、iPhoneアプリに関して、最低価格設定の115円アプリに対しても「なけなしの全財産を奪われたかのような書き込み」をする人もいますし、無料アプリに対しても容赦ありません。

これが3つめ。

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それくらいに「インターネットは無料=情報は無料」という状態が広がりすぎてしまったことに不安を感じてます。

本来有償なものを「有料で配信するとはなんて野郎だ、無料で配信しやがれ」と貪り始めると、情報を提供するビジネスは崩壊してしまいます。

もちろん、発信側の意志によって「この情報はきっと役に立つに違いない」と無償提供するということは素晴らしいことで、それによってよい世界が広がるという現実は否定しません。しかし、こういう無償提供している人々・事業者などに対しても「もっともっといいサービスをしやがれ」と言い始めている状態なのではないかと。

これからはインターネットの時代とは言っても、インターネットの世界には「コストに全く見合わない現実」と「無料を貪るモンスター」が待ちうけているだけなら、誰も入っていかないし、今提供されている無料の情報が打ち切られることも十分にありうるのではないかと。

もちろん情報の値段はいくらなのかということは、受ける側と送る側で違うのかも。紙代や運送代などの経費を差し引いた金額が情報量か?というとそうでもない、けれども受ける側は「いくらまでなら払うよ」という心がけは必要なんだと思う。

はて、自分はそういう業界の隅っこで、どう動いていけばよいの〜と考えこんでしまう1週間なのでした。

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